スペシャルコンテンツ
現代美術センターCCA北九州では、1997年の開設から北九州での活動を終える2021年までの間に、数多くのアーティストブックを制作し、その数は60冊以上にも及びます。「アーティストブック」という言葉の定義は様々な解釈がありますが、多くの場合、アーティストが本という形式を通じて表現したアート作品として捉えることができます。これらの作品は、通常の美術品と比較して手頃な価格で入手でき、持ち運びも容易であるという特長があります。そのため、美術館やギャラリーといった特定の場所に縛られることなく、幅広い層の多くの人々が日常的にアートに触れ、楽しむことができる媒体となっています。制作形態も多様で、一点物として制作されるものから、数百部単位で制作される作品まで様々です。CCAで制作された作品のほとんどは、アーティストが北九州滞在中に手がけたもので、同時期に発表されたギャラリープロジェクトと連動したものや、作家の滞在中の経験を通して北九州や日本を映し出した作品が数多く含まれています。本展では、ローレンス・ウィナー、トーマス・デマンド、オラファー・エリアソン、リクリット・ティラヴァーニャ、宮島達夫などとともにCCAが刊行したアーティストブックをご紹介します。
CCAについて
CCAは、1997年に北九州で設立された、現代アートを専門とする研究・学習機関です。これまでに国際的に活躍する数々のアーティストやキュレーター、美術関係者に加え、建築や科学など様々な分野の専門家と協力して展覧会やアートのプロジェクト、シンポジウム、出版などを行ってきました。また、滞在型のスタジオプログラムやフェローシッププログラムなどを通じて、若手アーティストやキュレーターに向けた活動も行っています。2022年から拠点を瀬戸内海の弓削豊島(ゆげとよしま)に移し、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンと共同で、CCA Islandsとして活動しています。